常磐道・三陸道紀行 その3

旅行記
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そしてその3だ。
グリーンピア三陸みやこで朝を迎え、出発だ。
まずはもう少し北上する。まだ帰らない。

国道45号からすこし脇道にそれる。
そこから鼻穴が見える。熊の鼻

熊の鼻展望台から望む。左の鼻穴からなんか出てますな。
岩泉の小本港付近の岸壁がまさに熊というか豚というかの鼻に見える奇勝だ。

鼻穴を見物したあとはさらに北へ上る。あまり意図はない。今回は(いつもだけど)、このあまり考えない行動があとあとまで続く。

たどり着いたはグリーンピア三陸みやこより北へ下の道で25km、道の駅たのはた 思惟の風
今年の3月にオープンしたばかりのピカピカな道の駅、というか総合施設だ。
田野畑村もほかの地域と同じく過疎化・高齢化が進んでいるようだ。この豊かな自然と海や山、畑の産直食材をアピールし、この地域を守りたいという熱意のある道の駅だった(多くの道の駅はそうなのだろうけど)
道の駅たのはたのHPはこちら
写真は敷地にある思惟創館。なんでも昔の田野畑村村長さんの家が寄付され移築されているとのこと。宿泊体験施設となっていた。

なかなかモダン。

そして道の駅で念願のソフトクリーム(濃厚!)を食べ、しいたけと栗を買った。安かった。

さて、北へ北へ来ている場合じゃなかった。宮古駅近くの病院で待ち合わせしていたのだ。方角は真逆だ。やばいやばい、でもだいじょうぶっ。戻りは三陸北縦貫道で宮古へ。今のところ無料の高速道路。庭なのでかみさんの運転だ。
ほんとに宮古まであっというまだった。道がまっすくというのは大変走りやすく、早いものだな。

宮古にてまた母と兄に挨拶。そうこの二人に会いにここまで来たのであった。旅の目的だ。
しかしこのコロナ禍ではまわりも気になり、ほんとに会うだけで残念だ。騒ぎが落ち着いたらまたゆっくりね。
それで、いよいよ帰路につく。そう帰り道も700キロだ。無理だ。なのでぶらぶら帰るのだ。大変時間に余裕をとっている。

その時間の余裕がいけなかったのかもしれない。

しばらく帰りは三陸道にのらず下の道で行くことにした。それはまぁいい。町並みを行こう。
釜石の市街地を越えたあたりの唐丹町で僕にふと魔が差した。なんとなく海沿いの半島をトレースしてみたくなったのである。
ああ僕は岩手をなめてた。完全に。

地図では岩手三陸海岸にはちょろちょろ髭のようにいくつも半島が飛び出している。
この髭の一つくらいトレースしながら、海に落ちる夕日でも写真撮れればいいなぁと、軽い、ほんとかるぅい気持ちで海側の道へハンドル切った。ぐるっとまわってまたこの45号線に戻ってくりゃいいやと。

僕はすっかり忘れていたのだ。岩手県の大きさを。縮尺の違いを。
岩手県は北から南だけでも200kmを超えるあほみたいにでかい県だったのだ。
そして僕はちっともしらなかったのだ。リアス式海岸の恐ろしさというものを。

つい魔が差して曲がったのは大石という漁港方向の県道250号線だ。もちろんなんの基礎知識も下調べもない。曲がり角があったから曲がった、それだけだ。

しかしこの道は熊野川の河口、荒川漁港あたりで海を眺めたあとはひたすらくねくねくねと山道を行くばかりだった。たまにはるか下方に海が見える。木々の隙間に。海に降りるような道は皆無だ。狭く険しい。あまり使われている道のように見えない。不安になる。

やがて分かれ道。左(下り)は伊能忠敬海上引縄測量地とある。むぅどっちだ。道の幅は同じくらい。カーナビを見てもよくわからない。伊能忠敬へ行く。
カーナビを見ると、すぐ本線(と言えるのか?)を外れたことがわかる。とりあえず行ってみよう。
やがて集落に向かう道だとわかる。大石漁港大石の集落だ。
まずい日が暮れてしまう。夕日が海に沈む様はあきらめて写真を撮る。

美しい。しかしこの先はきっと袋小路だ。こんなひっそりとした集落にこのコロナ下で行くわけにはいかない。よそ者がきたらどう思われるか。
引き返す。

あ、伊能忠敬忘れた。むむまた来るぜ!来るかな。。


山道を急ぐ。まずいくねくね過ぎるし狭いしでスピードが出ない距離が進まない。来た道をもどって国道にでればよかったか。もう遅い。だんだん暗くなる。。
心細くなりながらなんとか吉浜のほうまで抜けてきた。途中の道はけっこう荒れてたなぁ。人の住む気配を感じほっとした。
そこからはおとなしく三陸道にのりなんとか岩手を脱出したのだった。なんだほとんどくねくねしてただけだった。

三陸の旅の醍醐味はおいしい食事だ。
しかし知らない半島巡りをしてたため、すっかり気仙沼についたときには遅い時間。うろうろ探してもやっている店もなく、マクドナルドでハンバーガーを買って車で晩御飯とあいなったのだった。ありえねー。

そんな遅い時間になってもまだ気仙沼にいる、ほとんど岩手から離れていないという事実。
心と体もほとほと疲れ果てその日は石巻のちょっと手前の道の駅上品の郷にて車中泊することにした。
この上品の郷には温泉施設もありそれも狙ってだったのだが、当然営業時間は終了していてふて寝しかなかったのである。

そして夜が明ける。

もちろん夜明けとともにお風呂にはいれるわけはない。あきらめて出発だ。
ちなみにこの道の駅上品の郷から見える山というか丘の上には風車が並んでいた。この風車が。。
出発したのは朝6時くらいだ。

そのまま南西へ行くのが帰り道だが、ふと見るとすぐ北側に北上川が流れている。せっかくなら水面をみておこう。わーまた出たー行き当たりばったりの思い付きー。

北上川はゆったりと朝もやに幻想的な風景を見せていた。満足だ。

うん素晴らしい。向こうが河口だな。
よし行ってみよう。って始まるわけですよ。。軽い気持ちでね。

そうしてあまり考えずに川沿いを下り、たどり着いたのはニュースでも何度も見た震災の遺構の大川小学校だった。
そうか大川小学校北上川を遡上する津波に飲まれたのか。ここは海である河口から5キロ離れたところにある。生徒74名と教職員10名が犠牲となった。

とてもモダンな造りの学校だ。災害前の子供たちの楽しい声が聞こえるようでほんとうに悲しい風景だった。

学校のすぐ裏には山があった。しかし当日は降雪もあり、地震による土砂崩れなどを考えると低学年生徒を登らすには躊躇はあるだろう。またこの学校自体が避難場所に指定されていて、近所から高齢者などが避難してきていた。とても何か言うことはできない。

早朝だったが一組の高齢な夫婦が時間をかけて見て回っていた。
僕らも偶然ここへ来たわけだが、誰もが一度はここに立つといい。明暗や運命の話などの前に、ここで何が起きたかそして何を考えなければいけないかということを突き付けられるべきだ。
是非。

少し口数も少なくなりながらまた出発だ。懲りずに河口方向へ。
新しく巨大な温室が見えてくる。被災地に始まった新しい農業なのかもしれない。先へ進むとダンプカーや重機が行きかう。まだまだ復興半ばの地域だ。というかこの広い更地、もとの風景とはぜんぜん違うものなのだろう。

そしてたどり着いたのは長面浦。一目みて独特な地形の海だとわかる。間違いなく風光明媚なところだったろう。今は海岸はコンクリートで覆われて、それはなにか異質な光景だった。
日本中をコンクリートで覆えば人間は安全になれるのだろうか。しかしそれは僕には軽々しく言えない疑問でもある。

さて、われに返る。またこの道は行きどまりだ。もう自宅に帰り始めなければ帰り始めなければともと来た道を戻る。また大川小学校の前を通り、なぜか今度は雄勝半島を一周し始めるのであった。この一周もきつかった。雄勝半島は一周するとまたもとのとこに戻るだけなのにね。

雄勝半島北側、荒浜海水浴場。やはり砂浜の手前は巨大な防潮堤で仕切られている。

いやぁ疲れた。さすがに運転疲れた。朝起きてずっとぐるぐる回ってるのだから。
で、女川へ向かう。
道の駅おながわ、ここもなかなか大きくて新しい。復興のエリアなのだろう。
で、朝飯兼お昼だ。はらへった。

幸せだ。

食べ終わったら少しぶらぶら歩く。

ん?

なんじゃこりゃ。
女川駅前になぞのオムスビマン。

こいつの座ってるの自分のう〇こだろっ!

女川のJR駅にも併設して温泉があった。しかしこのコロナ下のせいか営業していなかった。
女川もゆっくり回りがいがありそうだ。ここまで来た場所すべてだが、コロナ下じゃなければじっくり散策したりお邪魔したいものだ。はやくそういう日になって欲しい。

ところでカミさんにこの時点で言えないことが一つあった。それは今朝スタートした道の駅上品の郷よりちっとも家に近づいてないということだ。いや若干遠ざかっている。ありえない。それだけは言えない。言ってはいけない。
しかし隠し事はできないものだ。出発してしばらくすると、あの丘の上にならぶ朝方見えた風車たちがまた現れるのであった。いやん。多分山の反対側から風車を見ているのだ。

ばれちゃあしょうがねえと開き直る。そうささんざ走り回っていたところはまったく帰り道じゃないのさ。
ということで本気で帰り始める。永遠に帰れない。

で、松島による。

なにまだ松島
まぁそう言うなよ。俺は尻に火がついてから頑張るタイプなんだよ。文句があるなら松島に言え。

こっからは本気で(泣きながら)帰り始める。仙台から帰りは東北道にのってひたすら走った。
もうひたすら。
しかし埼玉の羽生サービスエリアで力尽きた。精魂尽きた。結局寝た。

羽生SAなかなかすごいね。夜だったから余計雰囲気あった。

結局家に着いたのは翌朝早くでございました。全行程約1700キロ。つかれきった。むだに。

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