カルマ警察よあいつ捕まえてくれ！
憂鬱なバンド、レディオヘッド。と俺の中では回路づけられていて、さらにインテリなバンドとか自意識バンドとかそんな受け止め方で、でも当時けっこう垂れ流しで聴いてた。「KID A」までは。。
「KID A」はもういきなりリスナーを選別するアルバムで、つまり憂鬱、インテリ、自意識にさらに選別するバンドになったわけだ。もう振り落とし放題。わからない奴はスネてろみたいな。
ま、それはこのカーマポリスが入った3枚目のアルバム「OKコンピューター」から始まってたんだろけどな。
彼らレディオヘッドの出現によって、僕が知っていたロックミュージックっていうものが大きく大きく転換していってしまったのであった。なんともくやしい。
最初に憂鬱なバンドって書いたけど、彼らが当時の若者に支持されたのはその”鬱ロック”という面があったと思うし、なんせ時代は”鬱”だったし、抗うつ剤をちょうだいだったろうし、ニルバーナとかの切り口もそうだったし、世は個人主義、内面主義にずぶずぶと入っていくわけだし、とくにイギリスはもともとこういうの好きだったろうな。
さらに実験的ななんか新しい風がさ、既存のものに飽き足らないやつにビンビンきたんだろうな。
で、僕が好きなイギリスロックっていうのももともとそういうもんだったりするし、飛び出し方だったりする。なんだよ嫌いじゃないのかよ。
好きだよ。
憂鬱な音楽ってめっさハマって聴きたくなる周期ってあるんだよ。憂鬱な時な。
それは失恋したときに中島みゆきを聴きたい人が多いってのと同じだよ。憂鬱にさいなまれてる時に能天気な曲なんて聴きたくねえだろ。押し付けんなよバカって言っちゃうだろ。
今は大人の視線から好きだよ。大した大人じゃねえけどね。
てことで、その憂鬱なアルバムから「Karma Police」
まずは比較的最近（2018年）のライブを見てもらおう。最高だから。
老けたな。俺もだけど。なんかジャン・レノに似てるな。そして明るくなったんちゃうかトム・ヨーク。
この曲は彼らの中でもかなりシンプルな曲なのでライヴが合う。美しいメロディ、美しいアレンジ。
この映像は長すぎるけどな。
「OK コンピューター」ではPARANOID ANDROIDもNO SURPRISESも美しくて鬱なんだけど、一番好きなのはこのKarma Policeだな。シンプルなやつがやっぱどうしても好きなようだ。クリードもいいけどやっぱこっちかな。Karma＝業（ごう）警察ってタイトルからして素晴らしい。
1997年のMVも見てくれ。なかなか深くていいビデオ。クライマックスまで見終わると映画見たみたい。
ちなみに後部座席に乗って男を追うトム・ヨークは大の車嫌いだそうだ。
Karma police
Arrest this man, he talks in maths
He buzzes like a fridge
He’s like a detuned radio
Karma police
Arrest this girl, her Hitler hairdo is making me feel ill
And we have crashed her party
This is what you’ll get
This is what you’ll get
This is what you’ll get when you mess with us
カルマポリス
話すことは数字ばかりのあいつを捕まえろ
冷蔵庫みたいにうるさくて
チューニングの合わないラジオみたいだ
カルマポリス
ヒトラーみたいな髪型で不愉快なあの女を捕まえろ
彼女のパーティーを台無しにしてやったさ
それがお前への報いだ
それがお前への報いだ
それが俺たちを台無しにした報いだぜ
主人公は業（ごう）警察をけしかけたり、パーティをダメにしてやったり、MVでは男を追いかけ回しひき殺す勢い。
しかし次のバースでは主人公が業ポリスに目をつけられてる。
まさに文句たらたらな主人公こそ業深き人間だからなぁ。
Karma police
I’ve given all I can, it’s not enough
I’ve given all I can, but we’re still on the payroll
カルマポリス
俺は出来るだけのことをした、だけどまだ十分じゃないって
俺は出来るだけのことをしたのにまだ台帳に乗っかってるんだ
結局カルマに囚われて、最後は逆に火をつけられて仕返しされたりするんかな。
しかし主人公は
For a minute there
I lost myself, I lost myself
Phew, for a minute there
I lost myself, I lost myself
ちょっとの間、我を忘れてたいかんいかんと
燃え上がる車のなかにはもういませんでしたとさ。
カルマポリスに気をつけろよ。
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